人を知る

03 技術 荒川 諒さん

機能も、色も。欲張りな注文こそやりがいがある。

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塗料開発に使われる塗料には、たくさんの「高性能」な原料が含まれています。でも必ず裏がある。というのも、たとえば塗料に混ぜられているフッ素は、シリコンより紫外線に強いですが価格が高いんです。耐水性を強化する薬剤は、量を調節しないと塗料の色鮮やかさを損なってしまうし‥。私が開発を任されたのは、シリコンのかわりにフッ素を配合した、低価格で耐水性の強い色鮮やかな塗料。まるで矛盾だらけの新製品開発でした。
通常、1つの塗料には約10〜20種類の薬品を配合します。薬品の組み合わせを100通り以上考え、それぞれ数年分に相当する紫外線を当てて試験していきます。望ましい評価結果が出なければもう一度仮説を立てて、配合を考え直し、また試験にかける。新製品開発のときも、20回でも30回でも、正解が見つかるまで試し続し続けました。ある薬品の量を増やしたために他の薬品の機能を妨げてしまう…なんてことは日常茶飯事でしたね。どの薬品が他の薬品にどんな影響を与えているのか、配合に加えるべきなのか? 半年以上この作業を繰り返しました。

求められるクオリティまで、会社の枠を超えて突き詰める。

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塗料の主な原材料は樹脂です。新製品の開発では、樹脂からの改良が課題の突破口となりました。通常の開発ならメーカーから仕入れた樹脂をそのまま利用するんですが、この時はメーカーとの樹脂を共同開発することになって。菊水化学工業としてもこの初期段階から携わったのは初の試みだったと後から聞きました。まさかそんな根本から開発できるとは…普段は薬品に囲まれているから、樹脂の開発現場はなんだか新鮮でワクワクしたのを覚えています。メーカーの協力もあり、新製品は開発開始から1年後、無事に終了しました。このときに吸収した知識は今開発中の製品でも役立っています。
実家に帰ると開発期間を思い出します。というのも、実はこの新製品で実家の塗替え工事を行ったんです。たくさんの塗料があるなか、両親は私が開発した製品を選んでくれて。誇らしい気分でいっぱいでしたね。大規模な建設プロジェクトに開発した塗料が起用されることはもちろん嬉しいですが、外壁一面綺麗な色に染まった実家も、また格別なんですよ。

暗いトンネルの中に差し込む、突然の光。その感覚が開発の醍醐味だ。

薬品の組み合わせは、今でこそすぐ頭に浮かびます。でも、入社したての頃は自分で何かを思いつくなんてことは夢のまた夢でした。何しろ学生時代の専攻は電気電子工学。「この学問は肌に合わない! 社会に出たら違う分野の開発に携わりたい」。そう考えて全く違う畑から化学の世界に飛び込んできたんです。新入社員の仕事は先輩の業務の手伝いや打ち合わせへの同席でしたが、化学の専門用語がわからず内容はサッパリ。先輩はいつも丁寧に気にかけてくれていましたが、会議の内容も先輩からのアドバイスも理解できない自分の知識量にうんざりして、当時は本を大量に買い込んでは読みふけっていましたね。
塗料を軽くするには? もっと機能を長持ちさせるには? いくつもの改良テーマに向き合い、ひたすら仮説を立て、試験と評価を繰り返していく…開発職は毎日地道な作業の繰り返しです。塗料により良い機能が求められる限り、開発に終わりはないと思います。でも、検証を繰り返すなかで突然自分の予測が当たる、その瞬間が楽しくて仕方がないんです。

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わたしのこだわり

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必須アイテム

マイスパチュラ。これで何色もの塗料を混ぜ、粘りを確認します。

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プライベート

夏季休暇中に、家族で北海道のラベンダー農園へ。良い香りに癒されました。

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