従来の剥離剤では、有機系の仕上塗材を除去する事は出来るが、無機・セメント系塗材(下地調整剤含む)を除去する事がでませんでした。 アスベスト研究会では、今後、石綿含有建築用仕上塗材の除去市場において、無機・セメント系塗材(下地調整剤含む)を対象した建物が増加すると予測。研究テーマとして、無機・セメント系塗材の除去工法及び剥離剤開発へ取組みました。
2020年7月1日無機・セメント系塗材(下地調整材C-1適用)対応の剥離剤として、会員限定「ムキベストⅠ」の発売を開始しました。「ムキベストⅠ」は、下地調整塗材C-1(0.5~1.0mm厚程度)のセメント系製品に対して効果を発揮する剥離剤です。但し、経年及び材質・厚みにより、剥離性能が十分に発揮できない場合がある為、施工前のテスト施工を必須工程としました。
アスベスト研究会では、「ムキベストⅠ」で除去できないセメント系塗材にも、安全で有効な剥離剤開発に取組みましたが難航しました。無機・セメントに、剥離剤だけで化学的にアタックし除去する工法の開発に固執せず、機器併用も含め粉じん飛散のない、安全で安心な除去工法を確立していく考え方に転換しました。
アスベスト研究会では、機械併用で粉じん飛散のない安全な除去工法を新たなテーマとして、アスベスト研究会賛助会員の株式会社呉英製作所が開発中の電動サンダーを用いて、研究会及び正会員各社の協力(試験施工など)のもと、セメント系塗材を安全に除去できる工法の確立に努めました。
粉じん飛散のない安全な除去工法として、2022年4月携帯型水循環式湿潤吸引電動サンダー「GSCウェットサンダー」が、製造元の株式会社呉英製作所(アスベスト研究会賛助会員)より正式発売されました。 ※販売に関するご相談は、菊水化学工業株式会社の最寄りの営業所にお問い合わせ下さい。
アスベスト研究会では、今後も持続可能な社会の実現に向け、環境課題である有害物質(アスベスト・BCP・鉛・クロムなど)への対策に、安全、安心、コンプライアンスのもと、会員一丸となり研究・開発に取組み続けます。